Title：「偲」Shinobu
Size：45×110×100mm

2012年制作 / 材質：福島県相馬市の海岸で拾いし丹塗りの椀、超難黄変エポキシ樹脂、アクリル絵具

この作品は、私が震災後の福島へ訪れたときに、相馬市の海岸で偶然拾った何とも美しい丹塗りの木椀に透明樹脂を入れて作品にしたものです。
誰かが愛着をもって使ってきただろうこの椀に、どんな金魚を描こうか私は悩みました。
その結果、いわゆる金魚という形が無くなり、浮草だけになりました。　しかし、よく見るとそこには金魚の卵があります。
金魚がいなくなったとしても、この卵には未来がある。そんな思いを卵に託し、被災地復興の願いを込めました。
この「偲」は、作ったものの誰にもお見せすることはないと思っていましたが、今回、このような被災地復興のために役に立てる機会をいただき出品いたしました。

深堀隆介